継承者と墓守

お墓はその継承者が墓守を兼ねることが多いのですが、場合によっては墓守の担い手を探してお墓の管理を委ねることもあります。典型的なケースは、継承者がお墓から遠く離れた場所に転居した場合です。普段はお墓の近くに住む親戚に管理を任せ、お墓参りの時期にその親戚に感謝の意を示すパターンがよく見られます。さて、お墓の継承者は、故人の信頼を集めた人であることも多いのですが、継承者になることが、必ずしも遺産相続において有利に働くとは限りません。遺産相続は基本的に遺言通りに行われ、細かな取り決めは相続人同士の話し合いによります。継承者であることをアピールするのは自由ですが、それが法的拘束力を持つことはありません。確かに継承者になると責任を感じるため、「自分には遺産を多目に受け取る権利がある」と思い込むのは分かります。しかし他の相続人がそれを認めなかったら、全く通用しないロジックになるのです。因みに遺言に祭祀財産の継承について触れた箇所があった場合でも、名前の挙がった人が断る自由はあります。さて、継承者がいい加減な人で、お墓が無縁墓になってしまったら、その後はどうなるのでしょうか。例えば継承者が経済的に困窮した結果、管理料を運営会社に支払えなくなったとします。数年間未納が続けば、お墓はいわゆる無縁墓になります。無縁墓は墓地の運営者が自由に処分してよいことになっていますから、最終的に撤去される可能性もあります。運営会社が他人の財産に手を付けているかのように見えますが、お墓の購入は土地の購入ではないため、継承者は結局お墓をレンタルしているに過ぎません。従って最終的には所有者である運営側が処分出来てしまうのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です