墓地の多様化

       

     

墓地が多様化しているということも、現在の特徴であるという風に言えるかもしれません。お寺などに隣接している形式の墓地もあれば、最近では、東京都などの郊外に広大な敷地を持った「公園」としての機能を果たしている「公園墓地」と呼ばれるものが存在しており、人々が気軽にお墓参りをしたり、遊びに行ったりすることができるようになっているということは、大きなメリットとして考えられるかもしれません。公園ではないとしても、遊歩道や休憩スペースなどが完備されているところもあり、高齢の方や障害のある方にとっても「訪れやすい」といったところに重点がおかれているお墓が多くなっているという点は、バリアフリーの視点から見ても素晴らしいものであると考えられるかもしれません。

このような現代的なお墓のスタイルはますます注目を集めているようで、テレビやインターネットのメディアなどでも取り上げられることが多くなってきたように感じます。とりわけ東京都などでは、お墓の数が絶対的に不足しているため、このように、誰もが理想とするようなお墓というのは、競争率が非常に高いため、自分自身が生きているうちに予約をしておきたいと考える人がすくなくないのではないでしょうか。

また、最近では宗教の垣根を越えてお墓を建てるという人も多くなってきており、芝生の下に直接遺骨を入れ、その上にプレートを付けるというような形で埋葬する欧米型のお墓なども登場してきており、多様化している現状を反映していることは間違いないと言えるでしょう。このような墓地は、欧米のスタイルを好んでいる人にも、大変な人気があり、西洋風のスタイルに憧れる人にとっても、お墓について考えを改めたいと思っている人にとっても選択肢の幅が広がって良いのではないでしょうか。

しかし、やはり日本のお墓で未だに一番人気と言われているのは、従来のように外に柵を作るスタイルと言われています。これは、公園墓地においても例外ではなく、最もメジャーであると言えるでしょう。

     

お墓に纏わるルール

   

   

お墓は好き勝手に建てられないものであり、法の取り締まりの対象であることを忘れてはなりません。例えば、自宅の庭を代用してお墓と見做すことは禁じられています。遺骨を埋葬できる場所は墓地に限られているのです。但し、埋葬以外の方法で管理する分には、自宅で保管しても構いません。つまり遺骨を手元に置いておくことはできるのです。では庭に墓らしきものを造ることも禁じられているのでしょうか。法律で禁止されているのは、あくまでも埋葬行為です。ですから記念碑のようなものを自宅に設置することは問題ありません。また、散骨は埋葬に当たらないため、基本的には場所を選ばず行うことが出来ます。ただ条例で禁じられている地域もありますから、自身の住居地がどうであるのか調べた方が良いでしょう。ちなみに条例が散骨を禁じることもあるのは、衛生上の問題を理由とするためです。そこがたとえ山であろうと海であろうと、遺骨で汚すわけにはいきません。さて、お墓に纏わるルールはこればかりに留まりません。実は無制限に誰の遺骨でも埋葬できるわけではありません。墓地の運営会社の方針により、「何親等以内」などと制限されていることもあるのです。例えば3親等以内と定められている場合、祖父母、姪、ひ孫等がその対象となります。細かく分類すると、意外に多くの人がその対象になることが分かるでしょう。また、お墓を借りている者の許可も必要になりますから、黙って埋葬するのは許されません。ところでお墓は物理的な容量がありますから、ルール上問題のない遺骨であっても、希望通りに埋葬できないこともあります。その場合は最終手段として合葬するのもお勧めです。特に遠い先祖の遺骨であれば、それほど抵抗なく合葬することも出来るはずです。

     

お墓を造るという作業

     

           

お墓は運営会社と契約したからといって、すぐに目にすることが出来るものではありません。大きな石が本体ですから、それを建立するのに時間が掛かるのです。家程ではないにしても、数か月はみておいた方が良いでしょう。そうすると、いわゆる四十九日に間に合うかどうかは保証されません。多くの人は大切な故人の四十九日に間に合わせたいと思うでしょうが、立派な墓石ほど造るのに時間を要します。完成するまでの間は遺骨を自宅に存置することになるため、精神的な負担も掛かることを覚悟しなければなりません。もちろん遺骨を埋葬せずに供養すること自体は法に触れる行為ではないのですが、人によっては目の前に遺骨を置きたくないと考えることでしょう。石材店になるべく短い工期で依頼するためには、装飾をシンプルにするのがお勧めです。墓石に刻む文字等を複雑にすると、それだけ時間と手間が掛かります。立地も任せた方が良いでしょう。要望が増えれば増える程、比較検討しなければならなくなり、時間が掛かってしまいます。ただ最近はそれだけ時間を掛けて下さいと石材店に言われるケースも少なくありません。というのも、急いで墓石を造った結果、トラブルが発生することもあるからです。よく見られるのは、立地を適当に選んでしまい、完成後に中々お参りに行けないケースです。また管理会社が杜撰な仕事しかしてくれないこともあります。お墓の運営には費用を支払うわけですから、時間を掛けて委託先を探すのも大切なのです。そもそも公営墓地であれば、急いで造ってほしいと頼む意味がありません。公営墓地は様々な制約があり、例えば募集時期が決められていたり、抽選が行われたりします。